“あそか”は、ブッダが生まれたときの聖木のサンスクリット語“asoka”です。「憂いのない」という意味です。
“ビハーラ”は「心身の安らぎ・くつろぎ」「休息の場所」という意味のサンスクリット語“vihara”です。
つまりあそかビハーラとは、「憂いなく安らげるところ」という意味です。
「病気の治癒が困難となった人が憂いなく安らげる場所でありたい」
そのような私たちの思いが、病院名に込められています。
仏教の教えは、私たちの生老病死の苦悩に寄り添い、安らぎをもたらすものでした。
わが国に仏教が伝来し、聖徳太子(厩戸王)は
- 敬田院(きょうでんいん)
- 施薬院(せやくいん)
- 療病院(りょうびょういん)
- 悲田院(ひでんいん)
を設立したと伝えられています。
それぞれ現代の寺院、薬局、病院、社会福祉施設に相当するものです。
もともと、仏教と医療・介護は密接な関わりを持っていました。しかし時代を経るにつれ、仏教と医療・介護といった社会福祉は、その関わりが薄れていきました。現在、病院の中でお坊さんの姿を見かけることは、まずありません。
そのような状況の中、生老病死の苦悩に応えるため、わが国の仏教界において医療・介護とも連携しようという機運が高まりました。それを「ビハーラ活動」と名づけ、当院の設立母体となった浄土真宗本願寺派では、1987年から活動を展開してきました。